現在、わが国では過去に経験したことのない深刻な人口構造の変化に直面している。急激な少子化と高齢化、そして人口減少である。

一方、長引く経済不振と経済政策の失敗により、わが国の債務は1000兆円を超えている。 債務のほとんどが日本国内の者により保有されているとはいえ、客観的には深刻な問題である。

政府は少子高齢化、増大する国の借金財政立て直しに向けて平成29年11月にアベノミクス「新・3本の矢」を掲げた。

(1)希望を生み出す強い経済 (2)夢を紡ぐ子育て支援(「希望出生率1.8」の実現を目指す。) (3)安心につながる社会保障(予防に重点化した医療制度改革、意欲溢れる高齢者への多様な就労機会を提供し「生涯現役社会」を構築し、高齢者世帯の自立を支援する。)である。


「地域医療構想」では4人に1人が後期高齢者となる2025年問題を見据え、主に青年壮年期の患者を対象にした「病院完結型」の医療から、 入院治療を終えても継続した治療が必要な高齢者の特性を踏まえ、住み慣れた地域や自宅での生活を支える「地域完結型」の医療に重点を移していくとの策定趣旨が提案された。

具体的には、病院は病床機能区分(高度急性期、急性期、回復期及び慢性期)ごとに分化し、外来では地域と連携し在宅医療を推進していくという内容である。


今年4月、診療報酬改定が行われた。

改訂率は本体+0.55%と予想に反するプラス改定になったが、薬価−1.65%、材料価格−0.09%で全体では1.19%のマイナス改定であった。

改定内容では、「地域医療構想」に従って、フリーアクセスで受診でき、アクセスの良さが早期発見・早期治療に寄与し、 また適切な受診行動、重複受診の是正、薬の重複投与の防止等も可能である「かかりつけ医」が機能評価され、 地域高齢者に対しては住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムを中心に在宅医療への推進を掲げている。

これら多職種への情報共有にはICTインフラを整備してネットワークでつなぐ構想が厚生労働省主導で勧められている。

ここ滝川市では昨年、医療機関を結ぶ、中空知地域医療連携ネットワーク(「そら−ねっと」)が出来上がり今年度より稼働予定である。

このシステムは滝川市立病院を退院された方、通院中の方の治療、投薬、画像等の情報を患者様の了解を得て、閲覧出来るシステムであり、 電話による照会や情報提供書等がなくても、患者様の情報がネットを通じて把握できるツールであり、 多忙な勤務医から症状の安定した患者さんを「かかりつけ医」に逆紹介する際にも、便利であり、今まで以上に病診連携が進展する事が予想される。

同様に、在宅診療を支える訪問看護ステーション、地域包括支援センター、ケアマネージャー、各事業所と情報共有も可能となる見込みで、 今後、増加していくと予想される在宅患者さんの支援の手助けになると思われる。


滝川市医師会員は昨年の総会時の報告では、病院7、診療所21の28施設。会員総数88人であったが、昨年、2診療所が閉院した。 砂川市立病院では医師の過重労働が問題となり、内科、循環器内科の午後診療の中止、滝川市立病院でも小児科医を始め、 他科の医師の補充も難しい状況になっており医師不足は当地でも深刻になっている。

この様な状況の中、患者様が戸惑わない様、開業医、勤務医は共に連携し合って、この難局を乗り切っていかなければなりません。 医師会としては会員相互の理解の下、より一層の協働体制を構築していき、その目的のためには、 新しい医学知識の共有のためオープンカンファレンスや医学会などの学術事業や会員相互の信頼・融和のための親睦事業を積極的に行っていきたいと考えます。


最後に滝川市医師会は、会員の理解と協力の下に以下の事業を推進します。

  1. 学術・教養の研鑽
  2. 保健・医療・福祉への積極的対応
  3. 関係団体との連携
  4. 会員相互の親睦推進

なお、上記事業の内、一般社団法人へ移行に伴う、公益目的支出計画に係わる公益目的事業は次の通りとする。

  1. 休日夜間診療確保対策事業
  2. 一般教育研修事業
  3. 保健医療啓発等普及事業